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記録:平野智子

戯曲研修セミナー2日目は、WS参加者で秋浜研究をされてる須川渡さんから、約1時間のプレゼンテーション。研究者ならではの視点に、宝塚北高校でのエピソードを交え、非常に面白い話が聞けた。

関西に移り住んだのは、宇治在住だった奥様に合わせてのこと。ラブシーンが好きな方で、卒業公演では何度も台本を書き直し色々なラブシーンを作って見せたなど、文献には表れない秋浜さんのロマンチストな一面が垣間見られた。
知的障害のある方と創作した「ロビンフット」劇では、寮生さんの希望に合わせて役を作り、個々の能力に合わせて配役と台詞を考える作劇法で、須川さんいわく“究極の俳優ファースト”。でも、その約束事にとらわれない姿勢が、約四半世紀にわたる交流の持続力の秘密に感じられた。

詩森さんのWSは、劇構造の解析が今日のメイン。「作品を知らない人に内容を説明する」という課題からスタート。あらすじでもダメ、事柄の羅列でもダメ、要約してまとめるというのが、その芝居を理解しているかどうかのバロメーターになることが良く分かった。
皆で意見を出し合い、「英雄たち」は「農村の若い人たちが盆踊りの夜に恋愛・性・環境の差をめぐってうだうだする話」、「リンゴの秋」は「片田舎の食料品雑貨店で家族に巻き起こる月末の問屋さんの集金をめぐる攻防」とまとまった。

登場人物の分析は、「中にいる人」「外からやってくる人」のくくりで大枠をとらえ、その上で各人物の性格や役割を紐解き、対立構造がどこに生まれているのか、その関係性が変化するのかしないのかと確認していった。

詩森さんの進め方は、「参加者に問いかけ、考えさせたうえでまとめる」という形なので、傍観者を作らないのが素晴らしい。今日は、戯曲を読むというよりは、戯曲の中にある問題を他の事例もあげて理解するという時間が多かったが、5日間の日程なので、今日の作業は今後に繋がるいい準備になったと思う。