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筆記者:蔵人(くらうど)

前半は、小川史氏より、いわゆる職業俳優ではない人達で行われた演劇という観点から、坪内逍遥の公共劇、戦前の労働劇団、戦時下の勤労演劇・農村演劇、戦後の自立演劇、そして秋浜戯曲との関連ということでお話を伺い、その後、参加者との間でディスカッションを行った。

特に戦後の自立演劇(労働演劇)の人たちが、自分たち経験や自分たちの日常生活を汲み取るような、自分たちにこそできる演劇はどういう風にあるべきかということを探っていたということには、参加者は大いに関心を持ったようだ。

ディスカッションでは、秋浜氏のどっちにも立たない批評性と岩手の人のもつ印象、秋浜作品によく登場する白痴(コケ)の存在、オノマトペや幼児語の使用等、様々な意見が出、また、赤狩りと演劇の関連性も議題としてあがり、今回のもう一つの研修作品である宮本研「美しきものの伝説」とのつながりも見えてきて、研修セミナー全体としても有意義な話となった。

後半は詩森氏のワークショップの続き。

詩森氏と岩手出身の参加者で、ひとつのシーンを読んで方言を録音し、その録音を元に3〜4人のグループに分かれ、実際に方言でシーンを読む訓練をする。それぞれのグループに詩森氏がアドバイスを一回りし、訓練の成果を発表。

そして同じシーンを他の方言でやってみたらどうなるかを試してみる。方言により、台詞を発した時の受ける印象が変わり、その会話の中に流れているコンテキストも大きく変わった。

この作品が「岩手の方言」で上演されることが大いに意味があるということを参加者全員で再確認した。

昨日(8/21)のワークショップでは、戯曲構造を解釈した上で今の時代との対応を考えたが、本日のワークショップはそれを受け、戯曲の書かれた時代の歴史背景や演劇的歴史背景というものが、いかに戯曲の理解や新たな問題提起(考えるべき要素)につながるのか、非常によく感じられ、戯曲の中の表面的な背景や演劇だけでなく、様々な分野からの研究や意見が、その戯曲を考える上で重要であることを実感できた回であった。