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筆記者:黒澤世莉

日本演出者協会、日本の戯曲研修部の「日本の戯曲研修セミナー2019」がはじまった。今回は秋浜悟史と宮本研を取り上げる。初日は秋浜ワークショップのみを行う。

今回の全体ファシリテーター、戯曲部部長の川口典成氏のあいさつと「日本の戯曲研修セミナー」およびその前身となる「近代戯曲研修セミナー」の簡単な紹介があり、のち、今回の秋浜ワークショップ講師をお願いした、劇作家、演出家、詩森ろば氏の紹介があった。
詩森氏は秋浜と同じく岩手県で幼少期を過ごしている。今回秋浜ワークショップで取り上げる、いわゆる「東北の四つの季節」に共通する「岩手弁」で書かれた戯曲の読み解きに同郷の作家があたることは心強く感じる。

余計なことかもしれないが、「東北の四つの季節」で書かれている言葉を「岩手弁」と形容していいのかどうか、東京生まれ東京育ちの私には判断する素養がない。本来は盛岡弁や渋民弁と表現したほうがいいのかもしれないが、一般に理解しやすい「岩手弁」で本稿は統一する。今日のWSにおいて秋浜の使う方言についての言及が数多くあったため、このようなことを書いたほうがいいと思うにいたった。

13時30分から19時まで、挨拶のあとは各参加者の自己紹介があり、それぞれの出身地や今回のWSに参加する動機、好きな戯曲などを共有した。思っていた以上に「岩手の言葉ネイティブ」の方が多くご参加いただいていた。

その後、今回「東北の四つの季節」から主に取り組んでいく「英雄たち」「りんごの秋」を参加者と輪読し、その振り返りを行い本日は時間いっぱいとなった。詩森氏の進行は非常によく準備されていて、聞いていて学びになることばかりだった。

秋浜悟史の戯曲の中に、面白い擬音が数多く出てくる。この擬音の語感が出身のよるものなのか、時代によるものなのか、個人的な資質によるものなのか、個人的に興味を持った。

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「日本の戯曲研修セミナー」in 東京 2019
宮本研&秋浜悟史を読む!
『美しきものの伝説』&「東北の四つの季節」

戯曲に関わるすべての人に開かれたセミナーです


スケジュール
2019年7/15・8/20-25

プレ企画「1日体験!日本の戯曲研修セミナー」
7/15月祝13:30-16:30

秋浜悟史を読む!
8/20 13:30-19:00
8/21 13:30-19:00
8/22 13:30-19:00
8/23 10:30-16:00
8/24 10:30-16:00

宮本研を読む!
8/23金17:00-21:00(19:00-栗原康トークイベント)
8/24土17:00-21:00

ショーイング [8/25日]
秋浜悟史リーディング 13:00-15:00
秋浜振り返り 15:15-16:00
   休憩
宮本研リーディング 17:00-19:15
宮本研シンポジウム 19:30-21:00

会場
芸能花伝舎
東京都新宿区西新宿6-12-30
東京メトロ「西新宿」駅より徒歩約6分/「新宿」駅西口より徒歩約歩約15分
プレ企画会場:B3
宮本・秋浜・発表会場:A1

料金
ショーイング [8/25日通し]:1500円
秋浜ワークショップ [全日程]:5000円(演出者協会協会員:3000円)
見学 [1日]:500円(演出者協会協会員:無料)
栗原康トークイベント [8/23金19:00]:1000円

申し込み・お問い合わせ
日本の戯曲研修部〈東京〉
gikyoku_tokyo@yahoo.co.jp
090-6513-7904(コバヤシ)
参加希望日時、お名前、年齢、所属、連絡先(メール、電話)を明記の上、メールにて、あるいはお電話にてご応募ください
*電話には出られない場合がありますので、留守電にメッセージをお願いいたします
〆切
秋浜ワークショップ:2019/07/31
見学その他:開催前日まで


「日本の戯曲研修セミナー」って?
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2010年「近代戯曲研修セミナー」としてスタートし17回の開催を経て、2018年より「日本の戯曲研修セミナー」に生まれ変わった。日本演出者協会が、演出家が戯曲を読み解き、演出の方法を探るために企画したもので、 日本近代戯曲の総括および現代戯曲の研究に野心的に取り組む勉強会でもある。
前回までに25名の劇作家を取り上げてきた。戯曲に関わる方、戯曲に関心がある方、戯曲の読み解き方を知りたい方、すべての人に開かれた場。

プレ企画「1日体験!日本の戯曲研修セミナー」

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「日本の戯曲研修セミナーって難しそう」「読解力をつけたいけど、ついていけるか不安」そんなみなさまの心配や不安を解消するために、1日で体験できちゃうプレ企画を開催します。
背景を調べてみる、声に出して読んでみる、みんなでディスカッションしてみる、などなど、たった1日で欲張りに体験できます。もっと深めたいな、面白いなと思ったら、8月のセミナーにお越しください。

宮本研を読む!
大逆事件後の革命と芸術と恋を新鮮かつ挑発的に描いた宮本研『美しきものの伝説』を演出家・劇作家たちがディスカッション&リーディング!いま現在活躍する演劇人が、堺利彦、大杉栄、伊藤野枝、小山内薫、島村抱月、松井須磨子、久保栄らをモデルとした登場人物たちとがっぷり四つに向かい合い、「演劇とは何か」という素朴かつ根源的な問いを互いにぶつけ合う。募集するのは見学者ではない、見届け人である!

宮本研(みやもと・けん)
1926年熊本県生まれ。中学時代を北京で過ごす。法務省勤務時代、職場演劇グループ「麦の会」をつくり、『僕らが歌をうたう時』を創作。1962年に『日本人民共和国』『メカニズム作戦』で岸田國士戯曲賞受賞。代表作に、『反応工程』等の「戦後史四部作」、『美しきものの伝説』等の「革命伝説四部作」など。1988年没。

出演
岩崎聡子
笠浦静花
黒川逸朗
小林七緒
篠原久美子
篠本賢一
中屋敷法仁
林英樹
ふじたあさや
前嶋のの
マキノノゾミ
丸尾聡
森田あや
山上優
他(五十音順)


秋浜悟史を読む!
戦後の東北地方の片田舎を舞台に、東北の言葉で、無名の民衆たちの欲望と倦怠とを描いた秋浜悟史<東北の四つの季節>(「ほらんばか」「英雄たち」「リンゴの秋」「冬眠まんざい」)を題材に、東北出身の劇作家・演出家の詩森ろばがワークショップを開催!戯曲に対して、短編の構造、方言による表現のあり方などを分析し、魅力を探求する。
参加者、見学者募集・対象:戯曲に関わるすべての人!

秋浜悟史(あきはま・さとし)
1934年岩手県生まれ。学生劇団「早大自由舞台」に参加したあと、岩波映画製作所に勤務。1962年から劇団三十人会に参加。1969年に『幼児たちの後の祭り』に至るまでの諸作品の成果において岸田國士戯曲賞受賞。大阪芸術大学に長年勤務し、1994年に兵庫県立ピッコロ劇場の代表に就任。2005年没。劇作には故郷岩手を舞台にしたもの(『ほらんばか』含む「東北の四つの季節」など)が多い。

詩森ろば(しもり・ろば)
宮城県仙台市生まれ。1993年、劇団風琴工房旗揚げ。以後すべての脚本と演出を担当。綿密な取材に基づき、多彩な題材を他にない視点で立ち上げる。代表作に『紅の舞う丘』、『葬送の教室』など。『アトムが来た日』にて岸田國士戯曲賞最終候補。現在はSerialnumber主宰。

出演
ワークショップ参加者

8/23金19:30トークイベントを開催!
栗原康(アナキズム研究)
1979年、埼玉県生まれ。早稲田大学院政治学研究科博士課程満期退学。東北芸術工科大非常勤講師。著書に『大杉栄伝 永遠のアナキズム』(夜光社)、『現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す」』(KADOKAWA)、『村に火をつけ、白痴になれ-伊藤野枝伝』(岩波書店)、『死してなお踊れ 一遍上人伝』(河出書房新社)、『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』(岩波新書)など。


ファシリテーター川口典成
宣伝美術松田陽子
日本の戯曲研修部〈東京〉秋葉舞滝子、岩崎聡子、川口典成、黒川逸朗、蔵人、黒澤世莉、小林拓生、坂手洋二、篠本賢一、外波山文明、中村哮夫、林英樹、日澤雄介、平野智子、丸尾聡

文化庁委託事業「2019年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
主催文化庁/ 一般社団法人日本演出者協会

企画・制作一般社団法人日本演出者協会
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎3F
TEL:03-5909-3074 FAX:03−5909-3075
j_d_a_info@yahoo.co.jp
http://jda.jp
#日本の戯曲研修セミナー

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