作品の中で扱われている、アナーキストや大逆事件の知識を役者が知ることの重要性、さらにブレヒトの演劇論に触れた。
詩森氏が以前、水俣を扱った作品を上演する際に若い俳優たちをつれて水俣へ一緒に勉強に行ったが、その時の俳優たちが震災が起こった時にしっかりした発言をしているのを聞き、水俣での体験を通して、人間のベースができたんだなと感じ、劇団をやるというのは責任があるんだなと思ったというお話があったが、個人的には民衆演劇との関連が感じられ、興味深く、敢えて言うのもなんだが、今回の研修で扱っている二つの作品同士のつながりが具体的に何か見えてきたかなという印象であった。
そしてワーク。
リーディング発表のキャスティングをし、方言の発音に関してはかなり良くなってきているので、さらに意識の流れと解釈を考えてみようとの詩森氏からのアドバイスをもとに、それぞれシーン毎のチームに分かれ稽古をした。
稽古後、参加者で改めて読んでみると、初日に読んだ時に比べて、ぐぐっと生き生きとしたモノに変わった。
最後に今回のワークショップについて、参加者からフィードバック。
「以前、この戯曲を読んでいた時には分からなかった面白さが今回のワークショップを通して面白さが見えてきた」、「言葉が思考に及ぼす影響というのがこれだけ大きいということが分かった」、「研究者など様々な意見を聞くことによって視野が広がった」等、参加者それぞれに、それぞれのいろいろ得るものがあったようだ。
そして、今回のワークショップそのものが、様々な目的や背景を持つ参加者が集まったこともあり、民衆演劇とのつながりを感じさせる回になったように、私には思われた。
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